葉参事官にインタビュ−する前に、少々気にしたことがある。インタビュ−できる時間は1時間半と予定しているが、中国語から日本語へまた日本語から中国語へということで、かつ挨拶や紹介のようなことに使われる時間を加えると、実質的に、使える時間は長くても40分程度であろう、と思って、フォ−ラムの趣旨をどう説明し、具体的に何をどこまで質問し、いかに日本のそれと比較して理解するなど、他のインタビュ−と同様、いいえ、他のインタビュ−よりも、インタビュ−チーム一同は検討を重ねた。
「近年、日本における産学官連携は盛んになっているが、それは近年になってやり始めたことではなかろう・・・」。ソファ−に座り、同行者を紹介し、私からの質問がまだ途中しか発していないうちに、参事官は流暢な日本語で答え始め、メ−ルで依頼した趣旨に沿って、日中両国の事情についての個人的な考え方等を話し続けた。まさに一瀉千里のような感じだった。
意外だった。思わず「参事官と日本の関わりについて」というヒアリングに入った・・・。
1時間半であるが、ご覧になったインタビュ−内容のほか、参事官が繰り返して強調しているのは「科学技術の各分野における日中間の人的交流を如何に強めていくか」という課題であり、文化一般や、経済・観光などといった面に比べ、あまりにも不足している研究者・技術者の人的交流は「真の理解」に繋がらないだけではなく、誤解等による余計な想像から生まれた非客観的な認識は真の理解を破壊してしまっているとも思う。またこれは、これからますます必要と思われる相互補完や技術共栄などにとっては大きな壁になる。
去る6月初頭、ある大手電子部品メ−カ−が4年置きに主催した記念セミナ−で講演したとき、筆者は「グロ−バル経済となってきた中で、よく国境がなくなったと言われるが、うそだ!」と指摘した。「国という概念存在している以上、法的国境がなくなるのがありえないし、生まれ育った土地での心にはまた一つの国境が存在している。」その後、聴講者から共感して頂いたメ−ル等が来て、「以心伝心」になるような日中関係の重要性を合唱している。
このことを参事官と意見交換したら、すぐ共感して頂いた。プロパテントの時代、技術重視の時代、知的財産の時代、交流の際に留意していかなければならない点が多くあるし、日中協力をいうからといって、日中競争の必要性がないとも言えない。しかし、深いレベルでの文化的な相互理解、「心の国境」を乗り越えていくのはますます必要と求められる、と参事官の指摘に強く共感する!
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