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日中テクノビジネスフォ−ラム 主催 第3回 日中ネットシンポジウム



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閉会挨拶
躍進する中国、技術集約型国家への助走が始まった!
馬場 錬成 氏

独立行政法人JST 中国総合研究センター長 東京理科大学専門職大学院教授


 いま、第三次産業革命が勃発している。その中核に位置する国は中国であり、まさに熱気に包まれている。高度経済成長が続く中で2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博という2つの国際的なビッグイベントを控え、国の発展を目指して国全体が高揚しているように見える。
 
 世界の産業史を振り返ってみると、18世紀から19世紀にかけて勃発した第一次産業革命は、蒸気機関をツールとして100年間かけて世界中に工業化を広げた。第二次産業革命は、19世紀から20世紀にかけて電気をツールにして50年間かけて世界の産業現場を近代化していった。
 
 今回の産業革命のツールはIT(情報技術)である。IT進化の象徴的な指標はPCの覇者、インテルの創業者ゴードン・ムーアの提唱した「ムーアの法則」にある。これによるとPCなどに搭載する半導体チップの性能は、1年半ごとに2倍に進化するという。3年で4倍、4年半で8倍である。1980年代から始まった進化の過程は、今なお直線右肩上がりが続いている。
 
 驚異的なIT進化の中で、世界のトップクラスに躍り出てきた中国企業がある。インターネット関連通信機器製造企業の華為技術有限公司は、世界をリードするアメリカのシスコシステムズとライバル関係にまで成長し、レノボ(Lenovo)グループはIBMのPC事業を買収して、年間130億ドル(約1兆5000億円)の売上規模を持つ世界のPC市場のリーダー格となった。
 
 中国の1人当たりGDPはまだ途上国のレベルであり、先進国のレベルに達した人々は約1億人、人口比にして8%弱に過ぎない。企業に至っては99%が特許出願をしたことがない企業である。しかし中国の研究開発に携わる人々の知的財産意識は急速に高まってきた。
 
 制度の違いがあるとはいえ、すでに実用新案、意匠、商標の出願数で中国は世界トップに踊り出ており、中国の主要大学の特許出願数は、日本の大学を完全に凌駕している。中国企業同士が知的財産権をめぐって法廷で対決する事例が急増している。欧米先端企業は、中国で相次いで研究開発拠点を設置している。
 
 1986年に設立された中国国家自然科学基金委員会は、自然科学の基礎研究への助成、人材の育成、科学技術・経済・社会の発展を促すことを目的にし、イノベーションを奨励し、未来志向をする基本方針になっている。基金の予算は、1986年の8,000万元(約12億円)から、2006年には34億元(約510億円)に増えた。科学技術投資は近年急速に伸びており、R&D支出の対GDP比率は2005年には1.34%に達し、研究開発投資総額は2450億元(約3.7兆円)に達した。
 
 同委員会のトップの陳宜瑜主任は「中国は今後、機能性の高い製品を製造することに変革することが課題である。これから10年から20年かけて労働集約型から技術集約型に変化する」と語っている。中国はいま本格的な躍進に向けて助走を開始したばかりであり、未来に向かって13億人のエネルギーが燃え盛っているように見える。
 
 そこでは、今回のシンポジウムで紹介されているような、中国における多くの技術型ベンチャー及びその急成長に牽引されるものが大きいと推測し、新たな段階に来た日中間の科学技術交流や知財ビジネスの展開等には今後も注目していくべきであろう。


 独立行政法人科学技術振興機構(JST) 中国総合研究センター
 東京理科大学 専門職大学院総合科学技術経営研究科

 
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