佐藤 暢 20060131

「だいち」打上成功、まずはおめでとうございます!
 
〜関連産業のさらなる活性と発展を期待して〜
 


HIIAロケットによる打ち上げの様子(写真:JAXA)





    
ついに打ち上げられた地球観測衛星「だいち」

 2006年1月24日、陸域観測技術衛星ALOS(愛称:だいち)が、搭載されたH-IIAロケット8号機により打ち上げられました。その後、地上からの指令のデータ処理機能の一部の異常発生も伝えられましたが、1月31日現在、順調に運用されているとのことです。

 さまざまな原因等により打ち上げの延期が重なり、関係者の間では、「待ちに待ったALOSがいよいよ本格稼働を始めることになる」との声も聞かれるなど、喜びもひとしおのことと思います。

 宇宙航空研究開発機構によれば、これから4月までの約3ヶ月間、「だいち」に搭載された機器の機能確認等が実施され、その後、9月からの本格運用では、主としてデータ中継技術衛星を経由して観測データを地上に送られるとのことです。


    
母なる「大地」を見守る 宇宙の「だいち」



宇宙空間における「だいち」の運用イメージ(画像:JAXA)


 「だいち」は地形調査や植生観測といった自然環境全体を見つめるだけでなく、地図作成、災害状況、土地利用など、私たちの生活や社会に役立つ情報の提供手段としての役割等を果たすことも期待されています。

 「だいち」に搭載された観測センサが稼働を開始するのは打ち上げから概ね 2〜3 週間後とのことですので、 2月の中旬頃には初期画像が配信されるものと思われます。また、一般向けにも、地球観測利用推進センターの「ALOS@EORC」のようなウェブサイト等を通じ、一般向けにも広く紹介されていくことでしょう。

 今後、3種類の観測センサ(PRISM、AVNIR-2、PALSAR)から、それぞれどのような画像やデータが提供されていくのか、地球観測衛星コンテンツの利用推進支援事業等にも関わってきた一人として、興味深く見守っているところです。


    
関連産業の更なる活性化にも期待



衛星データ利用産業のさらなる振興と活性化にも期待(写真:ALOS利用協議会)


 「だいち」の打ち上げ成功に伴い、今後、関連産業のさらなる活性化などが期待されています。その一例として、2004年に立ち上げられた「ALOS利用協議会」(事務局:財団法人リモート・センシング技術センター)では、産学官の実質的な連携をはかることで、衛星データ利用のさらなる推進、データ利用産業の振興と活発化、利用の立場から見た宇宙開発利用ビジョンの提言などが活動目標に掲げられており、これまでにも打ち上げ後をにらんだ定期的な活動等が実施されてきました。

 とくに今後は、いかに多様な分野、多彩な局面で衛星コンテンツを利用してもらい、ビジネスとしても切り拓いていくか、そしてその成果などをもとに、次の地球観測衛星の開発・打上・運用等に繋げていくか、といったことが、これまで以上に求められてくるものと思われます。たとえば、リモート・センシング技術(RS)だけでなく、GISやGPSを加えた「3S」、あるいはモバイルやインターネット等、関連技術との融合による新たなビジネスの創出や展開等にも、多様な業界関係者一同、さらに注力していく必要があるものと思われます。

 ※関連コラム

   ○ 宇宙から見つめる大地は世界のために (JAXAコラム

   ○ ALOS利用協議会 設立全体会合参加報告 (当コラム