佐藤 暢 20060428


「『科学技術創造立国に向けて』私論」を読む
 
〜第三次科学技術基本計画についての雑感も〜



    
 2010年までの5年間、研究開発に25兆円を投じる目標を掲げた第三期科学技術基本計画が、4月から始まりました。重点投資する62の研究課題を設定し、達成すべき成果目標を明確にするなどの取り組みが注目されています。今回の取り組みは、科学技術創造立国の実現に向けたこれまでの取組の中で挙げられてきた問題、たとえば、「日本の研究開発の仕組みが、新産業創出や競争力に結びついていないのではないか」「科学技術に対して国民からの支持が十分に得られていないのではないか」といった問題に応える取り組みでもあるともいわれているようです。
    
 この科学技術基本計画と関連して、今回ご紹介させていただいている元橋一之氏のコラムでは、韓国、中国あるいは欧米との国際競争が激化する中、「企業のイノベーションプロセスにおいてサイエンスの重要性が高まっている」「技術シーズを大学や公的研究機関に求める動きが進んでいる」という現在の日本の状況を踏まえつつ、「国としてもきちっと予算の手当てをして長期的な研究を進められる環境を整えることが重要である」といった指摘がなされているなど、僭越ながら同感するところも少なくありません。
    
 以下は私見ですが、上記のような問題や指摘に応え、戦略的な研究開発を進めるためには、イノベーションに直接結びつくことが難しいといわれる基盤的研究分野(たとえば研究成果自体が商品化や事業化に必ずしも直結するとは限らない分野)であっても、研究課題や成果目標といった「なにを目指すのか」を明確にするだけでなく、「なぜ今、その研究が必要とされているのか」、また、仮説であっても、「得られた研究成果をどこで、どのように活用していくのか、あるいは活用される可能性があるか」 といった視点も不可欠ではないかと思いますが、如何でしょうか。



  ご紹介コラム  ※上の文章は下記コラムに関係するものではありません。

  ○ 「科学技術創造立国に向けて」私論 (経済産業研究所 ファカルティフェロー 元橋一之氏)
 昨年末の総合科学技術会議で平成18年度から5年間の科学技術政策の基本的方向性を示す第3期計画の骨格がまとまった。「科学技術創造立国に向けて」と題された答申においては、5年間で25兆円の政府研究開発投資の目標額が掲げられると同時に、この投資効果を最大限引き出すための戦略的重点化や科学技術システム改革の強化が盛り込まれている。。。 全文はこちらから。