山本 喜昭 20060829


環境ビジネスの裾野の広がりと今後の成長への期待
 〜「全国学生環境ビジネスコンテスト em factory 2006」を観覧して〜



最終日の決勝プレゼンテーションの様子
(写真提供 「em factory 2006」実行委員会)


    
 2006年8月27日に、早稲田大学 学生環境NPO 環境ロドリゲス主催の 「全国学生環境ビジネスコンテスト
em factory 2006」 の最終決勝コンテストが行われました。

 主催、参加者とも主役は学生ですが、環境ビジネスに携わる多くの「プロ」からも注目される本コンテスト。私も関連業務に取り組み続けている1人として興味深く観覧してきました。


    
コンテストの概要
 
 本コンテストは、全国から集まった初対面の学生同士がチームを作り、5泊6日の合宿形式で、環境ビジネスのプランを考えていくビジネスコンテストです。

 各チームにはプロのコンサルタントがアドバイザーとして付き、また最終日の決勝プレゼンテーションでは、環境ビジネスの現場で働く専門家の審査を受け、グランプリを決めます。

 学生のコンテストとはいえ、事業としての新規性、成長性、採算性と、環境に対する貢献度など厳しい審査基準が設けられており、6人×12チーム=72人の学生たちにとってはかなりハードな6日間だったようです。




ビジネスプラン作成の打合せの様子
写真提供 「em factory 2006」実行委員会


    
斬新なアイディアの結実
 
 最終日に、決勝に残った4チームのプレゼンテーションを拝見しましたが、想像以上に総じてレベルは高く、内容が濃いものでした。

 時間制限もある中、当人たちにとっても100%満足のいくものに仕上がってはいないでしょうし、実際、発表されたビジネスプランは、まだ分析や見通しに甘いところもあります。それを批判するのは簡単ですが、それよりもユニークな視点、アイディアの斬新さと面白さ、チーム内で議論を重ね、最終日までにアピール力のあるものに作り上げたパワーは賞賛に値します。

 優勝したチームのビジネスプランは「ロハス層に対する結婚仲介、及びエコ商品のマーケティング支援事業」というものです。まず、環境×結婚という切り口、着眼点に驚かされました。

 このチームは市場分析から、セグメンテーション、ターゲットの絞込み、商品企画、価格設定、プロモーション、収益評価など、ビジネスモデルの基本が数字でしっかり押さえられたプランに仕上がっており、完成度は高いものでした。

 また忘れてはならないのが、縁の下で支えたコンサルタントの存在。ビジネスの素人である学生が、自分たちの思いやアイディアを具現化し、一定レベル以上の成果を発表できたのは、それぞれにアドバイスを行ったコンサルタントの力も大きいのでしょう。


    
今後の環境ビジネスへの期待
 
 優れたアイディア、冷静な分析、専門家にサポートされたビジネスモデル立案、そして環境ビジネスに対する熱意によって産まれた12のビジネスプラン。この「夢とロマン」の結晶は過去2年分のものも含めて、「em factory」のウェブサイトに公開されています。

 これらのプランはここで終わりではなく、引き続きブラッシュアップされ、「エコジャパンカップ 2006」という別のコンテストで審査されていく予定です。もしかすると12のプランの中から実際に事業化されるものも出てくる可能性があります。

 環境と経済は両立しないと言われてきましたが、これからは環境をビジネスにするという考え方がいっそう広まり、将来を担う優れたビジネスが登場する機運の高まりを感じさせられました。また環境ビジネスを産み出すきっかけとして、こうしたオープンなコンテストの役割に今後も期待していきたいと思います。


 参考ウェブサイト

   ○ 全国学生環境ビジネスコンテスト em factory 2006



   ○ エコジャパンカップ 2006

筆者は技術経営創研 技術統括部 情報利用開発室室長